世界遺産に匹敵する?鎮守の杜
照葉樹林
香川県の「こんぴらさん」には日本でも有数の鎮守の杜があります。こんぴらさんこと金刀比羅宮から大麻神社あたりまで、もりもりした照葉樹林が広がっています。照葉樹は一年中葉が茂る常緑の樹で、日本では神が宿る依り代とされてきたため、神社の鎮守の杜として大切にされてきました。
日本列島に南からやって来た日本人の祖先が切り開いた西南日本の原生林といわれます。照葉樹林は日本から中国南部に広がり、独特な生活文化(味噌や蚕などを特徴とする照葉樹林文化)が花開いた場所といわれます。
照葉樹林はアジアに限らずヨーロッパにもあります。そして、その森こそが世界遺産に登録されているのです。ヨーロッパの植物の多くは最終氷期に絶滅してしまったといわれていますが、ポルトガルにあるマデイラ島には奇跡的に月桂樹などの照葉樹が生き残りました。しかし、15世以来の開発によってその原生林が絶滅にひんしていることが分かり、1999年に世界遺産に登録されました。
日頃見慣れた風景が、世界遺産になる日がくるかもしれませんね。
マデイラ島の照葉樹林